CROSS TALK 海外でのモノづくりのこだわり

CROSS TALK 海外でのモノづくりのこだわり

I.T. 
品質保証部 薬事課 マネージャー

2002年新卒入社。約11年間、ブラジルを中心に中南米で営業活動に従事。帰国後は、品質保証部にて国際展開している製品の製品登録及び許認可の取得・維持に関連する全般を担う。

Y.N. 
技術開発本部 開発部 次長

2001年新卒入社。入社時より製品開発の部署に所属。2013年から4年間のインドネシア勤務を経て帰国、現在は国内の製品開発とともにグローバル製品の開発にも従事している。

N.T. 
経営企画本部 マーケティング部 マネージャー

2007年新卒入社。大口顧客向けの営業を9年間経験後、東南アジアやブラジルで勤務。2022年より、日本でグローバル・マーケティングに携わっている。

各国のニーズに耳を傾けるため、
営業も開発も海を越えて現地にいく。

私とN.TさんはブラジルでY.Nさんはインドネシアと、ここにいるみんなは海外駐在経験者ですよね。日本と向こうでモノづくりに違いを感じることはありました?

日本のモノづくりと海外のモノづくりは大きく異なりますね。そもそも日本と海外では、医療用ベッドに求める基準が異なります。例えば、国内展開されるベッドのサイドレールは介護しやすいように抜き差しができますが、海外ではサイドレールが抜けると医療機器として認められません。海外で製品展開をするためには仕様を国際規格に合わせる必要があるというのが、日本との違いのひとつですね。

各国のニーズもバラバラで、我々がグローバルモデルとする製品はそれぞれの国の要求を満たす必要があります。ライトや離床のセンサー、体重計測機能などの有無に加えて、カラー展開も含めると7,000通りほどの種類になります。ここまで多種展開しているのは、パラマウントベッドくらいだと胸を張って言えるんじゃないでしょうか。

あと面白いのが、日本ではあり得ない想定外の使われ方がたくさんありますよね。ベッドの上に患者さんだけでなく、家族2~3人で添い寝していたり。

私たちが現場に行って納品に立ち会うこともあって、そうすると製品がどう使われているかがよく分かるんですよね。想定外の使い方を目撃したときは「現場でこんなこと起きているよ!」とすぐに開発部に報告していました。

会社の方針として、現地で直接使い方を見たり、要望やその重要度を聞いたりなど、現場でリアルなニーズを拾って製品に反映するというのがスタンスです。どの日系企業も現地ニーズに合わせたモノづくりをしていると思いますが、当社は営業と開発が一緒になってお客様と向き合っているのが特徴ですね。私は開発者ですが、現地の病院に足を運びますし、お客様に直接話も聞きます。クレームが起きたときも、現地で部品交換をして改良案を出していました。

営業と開発が現地に駐在して現場のニーズを深く吸い上げようとする企業は、当社以外だとあまりないかもしれないですね。実際、病院に納品に行くと日本人がわざわざ現場まで来るのは珍しいとよく言われます。

仕事をする側としては、その納品時が感動ポイントですよね。自分たちで作ったものが、地球の裏側のブラジルの地方の病院で使われているのを見ると、とても感慨深いです。

医療用ベッドメーカーの日本代表として、
ジャパンクオリティにこだわりぬく。

現地のお客様から、パラマウントベッドはどう見られていましたか?私は日本メーカーの製品ということ自体に期待を持たれていると感じましたね。

そうですね。堅実なモノづくりで、いいものを手頃な価格で提供してくれるというお客様からの期待を感じていました。その期待に応えるべく、たとえクレームがあった場合でもしっかり対応してブランドイメージを構築するというのはすごく大切なことだと思っています。

パラマウントベッドの製品は壊れないし、壊れても修理してくれて長く使えるという信頼感があったからこそ、インドネシアではトップシェアになれたと思います。ヨーロッパやアメリカのメーカーなど、世界にはライバルがたくさんいます。まだまだ知名度の低いパラマウントベッドが世界で戦っていくためには、まず性能で負けないように頑張らないといけないところです。

どの企業も品質向上やクレーム対応には力を入れていますが、どこよりも真摯に、責任を持って対応するというスタンスにこだわりたいですね。それがパラマウントベッドの価値ですし、海外マーケットにフォーカスすれば伸びしろしかないので、やった分だけ伸びていくというのがやりがいなのかなと思います。

パラマウントベッドに入社して、こんな素晴らしい製品が海外で使われていないなんてもったいないという思いがあったので、ぜひ世界一にしたいという気持ちはあります。そのために、どの国に行っても高品質な製品を提供できるように、知識や技術の平準化を進めて、現地社員が開発や営業に集中できる環境をつくっていきたいです。

技術側としては、海外メーカーに負けないレベルのモノづくりに励みたいですね。まずはアジアNo.1メーカーをめざし、ベッドだけでなくストレッチャーなどいろんな関連商品も売れるようにしたいです。

当社の仕事は、医療、介護、健康の3つの事業で、人の一生のたくさんの時間に関与できます。海外マーケットには70億人のお客様がいると考えると、自分のやったことでたくさんの人に影響を与えられる、ものすごくやりがいのある仕事だと思います。

当社のモノづくりって、とても社会貢献性の高い分野だと思うんですよ。使ってもらったら喜ばれますし、命に直結する製品です。しかも製品の一部分ではなく、ほぼ全体像に関わる設計を任せてもらえるので、モノづくりの喜びも深く感じることができます。

将来を考えるとどうしても安定志向になりがちだと思います。ただ個人的には、それでは面白みがなくなるなと思ってしまうタイプで、とにかく学び続けるのが好きなんです。知らないからこそ思い切って踏み込める領域が確かにある。海外への挑戦もそのひとつです。学生の方には、今だからこそできる、思い切りのいいチャレンジ精神を持っていただけると嬉しいですね。