お知らせ

2014.06.19

ベッドで生体情報を測定・管理・分析

~寝たまま、非装着で~

 

 当社は、入院患者や在宅療養者などがベッド上に寝ている状態のまま、脈拍数や呼吸数などの生体情報等を非装着で測定し一元管理するベッドシステム「スマートベッド™システム(仮称)」と、その一部機能を搭載したコンセプトベッドを開発しました。このシステムでは測定した情報の変化をリアルタイムで自動的に分析、容体を把握し異常のある場合は携帯端末などに通知するほか、電子カルテや遠隔の医療機関などと連携し、関係者による情報の共有・活用を可能にします。生体情報を測定することによるさまざまな負担を軽減するほか、在宅医療の環境整備に貢献するなど、超高齢社会における課題である看護・介護職の人員不足や社会保障費の増大の解消を目指します。

 

〔「スマートベッド™システム(仮称)」の3つの特長〕 

1.ベッドに寝たままの状態で生体情報などを測定
  ●脈拍数・呼吸数を非装着で連続的に測定。
  ●体温・血圧・体重を寝たままの体勢で測定。
  ●ベッド上での起居状態や離床の状況、睡眠状態を非装着で連続的に把握。
2.ベッド状態を遠隔で把握
  ●ベッド状態(①ベッドの背上げ・膝上げ角度、ベッド全体の高さ、②サイドレール使用の有無、③キャスターロックの状態)を
   ナースステーションなど離れた場所で把握。
3.取得したさまざまな情報を共有・活用
  ●取得した情報はベッドに付属したタブレット端末のほか、ナースステーションや携帯端末などと24時間リアルタイムで共有。
  ●電子カルテと接続し、必要な情報を記録。
  ●生体情報の変化を自動的に分析し、異常のある場合にアラームを発信。

 この度開発したコンセプトベッドでは、寝ている人の快適性と看護・介護のしやすさの両立を追求したデザインを採用しました。

 

〔「スマートベッド™システム(仮称)」が目指すもの〕

 高齢者人口の増加や労働人口の減少により、医療・介護施設ではさらなる人員不足が懸念されます。また、高齢化による患者の重症化が進むほか、入院日数短縮が求められることなどにより、今までよりも容体変化リスクの高い患者が、病院だけでなく在宅においても増加することが予想されます。
 「スマートベッド™システム(仮称)」は、従来よりもベッド利用者に精神的・身体的負担なく生体情報等を測定・把握できるシステムです。例えば、医療施設においては、現在、看護職が担っている患者やベッドの状態把握・記録業務の負担を軽減するだけでなく、収集した情報を分析することで容体急変の予兆を捉えます。夜間などスタッフの少ない時間帯でも、ナースステーションなどにおいて病棟全体の状況をリアルタイムに把握することが可能になるなど、利用者の見守りはもちろんのこと、看護業務の省力化や正確性の向上などにつながります。  介護施設や在宅などにおいては、測定した生体情報を医療機関と共有することで、遠隔において容体の変化が把握でき、重度化する前に通院を促すことも可能です。医療や介護が必要になってもできるだけ住み慣れた地域で自分らしい生活を営むという地域包括ケアシステムの構築に貢献します。

 今後「スマートベッド™システム(仮称)」の検証やさらなる技術開発を進め、2015年度の製品化を目指します。

ニュースリリース(172KB)