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むくみのセルフケア

広田内科クリニック 院長 廣田彰男先生に「むくみのセルフケア」についてアドバイスを伺いました。

「むくみ」は高齢者がよく訴える症状の一つです。
だるい・重いなどの不快な状態が続くと、高齢者の気分に大きな影響を与え、また、歩きにくさが見られる場合は活動性が低下することもあります。
そこで、広田内科クリニック 院長 廣田彰男先生に、むくみの起きる原因と、解消のためのセルフケアについて教えていただきました。

むくみの知識

むくみとは

むくむと、腫れた感じや、だるい・歩きにくいなどの不快感を覚えます。患部を圧迫すると痕ができることもあります。とくに症状が出やすいのは足や手です。
むくみが起きる原因は血液の循環と深い関係があります。私たちの体の中を流れる血液は、動脈から毛細血管を通じ細胞への水分供給を行っています。それと同 時に、細胞内で不要になった水分は、90%が静脈、10%はリンパ管に戻って再び体内を循環します。その際、戻るべき水分が血管外にたまってしまい、水分 過剰になった状態がむくみです。
リンパ管に疾患があるケースもありますが、それは子宮がん、卵巣がんなど、がんを患う方にほぼ限定されます。それ以外の大多数の方は、静脈に問題があると診断されます。
静脈のトラブルの中でも最も一般的に起きるのが、足の静脈に水分が戻らないために起きる「起立性浮腫」だそうです。
これは夕方に悪化するむくみで、健康な人でも見受けられます。たいていの場合、夜に寝ている間に自然に解消されますが、高齢者はこれを慢性化させてしまい悩むことが多いのです。今回はこの『起立性浮腫』を中心に説明を行います。

むくみの原因

「静脈圧の上昇」が原因

長い時間、起立した状態でいると、重力の影響で足に血液がたまります。もちろん、心臓や足の静脈にある血液循環のポンプが動いて血流を促しているのですが、それでも足の血液が過多になります。増えた血液でいっぱいになった静脈内は圧力が高くなります。
この“静脈圧が高い”状態が、むくみを引き起こします。
圧力が高いと、そこへ入ろうとする水分を押し返してしまうのです。その結果、血管外に水分がたまってむくみが発生します(図1参照)。

図1 むくみの発生

むくみを促進させる3つの因子

以下の条件を持つ方は、静脈圧が上がりやすく、むくみが発症しやすくなります。

1. 心臓が弱い
心臓病や加齢などが原因で心臓が弱ると、血液循環を行う心臓のポンプの働きが不十分になります。それにより、足の静脈から心臓へと血液が戻りにくくなり静脈圧を上げてしまいます。

2. 足の筋力が弱い
足は第二の心臓といわれるように、心臓と同じポンプの働きをしています。足の筋肉を収縮させることで血液を上に押し上げて循環させていますが、運動不足や筋力低下の場合はこの活動が低下し、静脈圧を上げてしまいます。

3. 皮膚の張りが弱い
むくみが進むと、静脈圧に負けていた血管外の水分が増えて圧力も高まります。これにより静脈圧との差が少なくなるので、本来なら水分が戻りやすくなります。しかしこのとき、皮膚の張りがないと細胞側の圧力が十分に高まることができません。また、足の筋肉を使っても、皮膚の張りがない場合は、収縮による刺激が届きにくく、血液循環のポンプが有効に働きません。以上の3 点はいずれも加齢現象でもあります。ですので、高齢者の多くはむくみを起こしやすいと理解し、注意を払ってください。

むくみの対策

予防・緩和のためのセルフケア

ちょっとした生活習慣の工夫が効果を発揮します。本人や周囲の協力で実践できる方法ばかりですので、ぜひ試してみてください。

1. 横になる(昼寝)
先に説明したとおり、起立した状態が足の静脈圧を上昇させます。ですので、第一の対策は「横になること」です。むくみの症状が出る前に「昼寝」を行って、足の血液を心臓に戻し、静脈圧が正常になるようにリセットしてください(図2参照)。横になるのが無理な場合は、座る、足を上げた姿勢をとるだけでも効果があります。

2. 運動をする
足を動かすと筋肉がポンプの役割を果たし血液循環を促してくれます。運動といっても歩く程度でよく、一歩足を動かすだけでもポンプは十分に働きます。足の不自由な方であれば、つま先の上げ下ろしをするだけでも効果が認められます。

3. 皮膚の緊張度を高める
足に圧力のかかるストッキングを身につけると、緩んだ皮膚の張りを補うことができます。専用の医療用ストッキングもありますが、まずは、手に入れやすい伸縮性のある包帯やストッキングでも構いません。

図2 むくみのサイクル

日常生活でできる簡単セルフケア

床に足をつけてつま先を上下に動かすだけでも有効です。

座った時、足の裏がしっかりとついていれば、筋肉が刺激され足のポンプが働きます。

心臓の機能が低下している方は急に横になるのを避け段階的に寝る姿勢をとってください。ギャッチアップ機能のあるベッドを利用すると便利です。

横になるときは足を上げるとむくみの回復を早めてくれます。足上げ機能のあるベッドを利用すると簡単です。その際に、足先を上げる方がより効果的です。

毎日使うイスや食生活を再確認

そのほかにも生活改善が大きな効果を発揮します。
イスの高さを見直してみてください。イスに座るとき、足の裏が床にしっかりと着けば、それだけで筋肉が刺激され足のポンプが動きます。車イスを使用する場 合も同様に、フットレストの高さを調整します。高齢者は座っている時間が長いので、この調整を行うだけでも大きな違いがあると思います。
水分や塩分のとりすぎもむくみを促進させてしまいます。体内には、水分の過不足を確認して脳に信号を送る装置『受容体(レセプター)』が備わっているので すが、それは足のむくみを感知できません。ですので、むくんでいるのに喉が渇くときは、水分の過剰摂取にならないように注意してください。

高齢者が横になるときの注意点

心臓の機能が低下している場合は注意が必要です。体を横にすることはむくみの予防・解消のためにお勧めできるのですが、足にたまった多量の水分が一気に上半身に戻ると肺や心臓に負担をかけることがあります。それが呼吸困難や心不全を引き起こす原因にもなります。
そのようなリスクがあるか確認するために、横になって1~2時間後の脈の状態を一度調べてみてください。動ど うき悸がしたり脈が上がるなど不調を訴えるようであれば、寝るときは急に横になるのは避け、起こした姿勢から段階的に寝る姿勢をとっていってください。 ベッドにギャッチアップ機能があれば、利用すると便利でしょう。 身体に障害がある場合、運動不足や筋力不足によるむくみの慢性化が懸念されますので、周囲の方が介助して足を動かすようにしてください。冷えて血流が悪く なるのを予防するために室温や着衣にも配慮し、マッサージを行うのもよいでしょう。また、横になるときは足を上げるとむくみの回復を早めてくれます。介護 ベッドに足上げ機能が備わっていれば、それを活用するのもよいでしょう。

廣田 彰男さんからのメッセージ

セルフケアが効果を発揮

むくみは健康な方にもよく起きる症状であるため、つい軽く見てしまいケアを怠りがちです。しかしそのままにしておくと、心臓や脳、臓器へ十分な血液が供給 されない状態が続き、ひいては全身の体調に影響を与えます。ご紹介したセルフケアを日常生活に取り入れば、少しずつでも改善されていきますので、ぜひ試し てみてください。

出典・引用 けあ・ふる VOL.l59(2009.4)
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